見えないものを推理する
*悩ましい社内ネットワークの維持管理
IT管理者をやっていて悩ましいのは、社内のネットワーク事情です。
会社のネットーワークインフラは、一部はプロが、一部は少し詳しい人が、
一部は素人に毛の生えた程度の人が構築してきました。
おかげで、自分が引き継いだ時点ではネットワーク配線図もなく、
管理者になっての最初の仕事は、まずは、どこのハブに、どこから
どう繋がっているかを調べることでした。
そんな状態なので、ネットワークがつながらないと申告があると、
当社は手探りでの調査となりました。
少し調べてはGoogle先生に問いかけてヒントを貰い、
色々試しては可能性を絞り込んで、少しづつ繋がらない原因に近づいていくという
まるで探偵のような作業でした。
*見えない配線
基本的にはLANケーブルは剥き出しのまま床や壁際に設置されていました。
おかげで、ケーブルを伝っていけば、どこからどこに繋がっているのかが
わかるので、ネットワーク配線図の9割はすぐに出来上がりました。
問題は、直接確認できないところに配線されているケーブルです。
1階から2階へ天井を突き抜けて配線されているところや、
事務所から工場へ壁を突き抜けて配線されているところは、
途中でケーブルが追えなくなるために、どのケーブルがどこへ
通じているのかがわかりません。
しかも、見えない配線は入口側の穴には何本もケーブルが入っているのに、
出口側の穴からはケーブルが1本しか出てこない、なんてこともありました。
こういときは、先が見えないので精神的にとてもしんどいです。
*シャーロック・ホームズばりの観察と推理
しかし、いま現に繋がらないユーザーがいて、
「ネットワークに繋がらないと仕事にならない」
と言われたら、諦めるわけにはいきません。
様々な仮説を立て、その仮説の正しさ(あるいは誤り)を確かめる
方法を考え、1つ1つ可能性を潰していき、ついには原因に辿り着きます。
(辿り着かなくて、代替え手段で逃げる時もありますが)
正解にたどり着くと、やっぱりうれしいですね。
「俺の推理は正しかった!」
という爽快感と
「やっと作業が終わる!」
という安ど感が入り混じった感情です。
最近はノウハウも溜まってきたので、
以前ほど調査は大変ではなくなりましたが、
それでも、
「パソコンつながらないんですけど!」
という苦情が来ると、背中に冷や汗をかいてしまいます。
ではでは。