当たり前に潜む凄いノウハウ
*キーボードは指が覚えている
先日、部長の席を通りかったら
「キーボードで『_(アンダーバー)』って、どうやって打つんだっけ?」
と聞かれました。
割とよく使うキーなので、『あー!あれ』と
すぐに説明しようとしたのですが、
言葉にしようとして詰まってしまいました。
『アンダーバーのキーって
キーボードのどのあたりにあったっけ?』
急いで自分の席に戻って、キーボードでアンダーバーを打つと、
無意識のうちにシフトキーを押しながら該当するキーを打っていました。
結局部長へはすぐに説明出来たのですが、
自分でよく使っているキーの位置を、
とっさに説明できなかったのが印象的でした。
*当たり前になっているものは説明できない
このような習慣化した動き、無意識に行う体の動作というものは
言語が出来ません。
言語化する前に、勝手に体が動くように体に染みついているから、
わざわざ言語化しないからでしょう。
*当たり前と思っていることを説明することの凄さ
実は、会社の出荷担当の人と雑談をしていたときに
「最近の製造部は、入り数ミスが多いんだよね」
という話をしていました。
入り数ミスとは、例えば100個詰めの箱に製品を99個しか詰めなかった、
あるいは101個も詰め込んでしまったというように、
箱に製品を詰める数が決まっているのに、それが守られていないミスです。
それで、出荷担当の人が
「自分が製造部にいた時なんて、
箱と仕切りを必要数揃えてから作業するのが当たり前で、
入り数ミスをしても箱か仕切り板が足らなくなったりして
すぐにわかるようになってから、簡単に入り数ミスなんておこらなかったのにね」
と笑ってたのですが、そこで自分は衝撃を受けました。
『その当たり前、自分は知らないです…』
そんな簡単な方法で、入り数ミスを防止できるとは…。
コストもかからないし、やり方も単純で、
100%とは言えませんが、それなりに効果が出そうな方法です。
こういうノウハウは、いわゆる『暗黙知』と呼ばれます。
知っている人には当たり前のことなんだけれども
明文化されていないので、知る人ぞ知る知識です。
当人にとっては『当たり前』で説明するまでもないと判断していることが、
他の人が求めてやまないノウハウが隠れているかもしれません。
ではでは。